橋本ドンのマンション管理での嘘のようなホントの話?!(第三十九歩)

■私が思う、管理会社とのお付き合いかた?!

マンション管理士の橋本です。
5月も終わり、これから気温の徐々に上昇し、季節は梅雨へ、そして夏に向かい益々暑くなりますね。
皆様は、5月病や急な気候の変化に体調崩されていませんでしょうか?

ちなみに、この5月はマンションにおいては、総会が多い時期でもあります。そう、3月末で期を〆る管理組合が多いからです。
同時にこの時期は、管理組合をフォローする共用部管理会社の担当者もこの時期は大忙しい時です。

そう、この総会の対応も含め、マンションの管理運営に、これまでも、そして今も欠かせない存在、が共用部管理会社です。

基本、マンション(共用部)の管理運営の主体は、所有者を組合員とした管理組合になりますが、
マンション管理という実務においては、専門性もあり、また、現実的な作業内容、量を考えますと、
実際に、自分たち管理組合だけでする事が難しいことが多いため、そのあたりの実務やフォローにあたり、管理会社が、委託された業務内において運営サポート等の作業をおこないます。

そう、このように業務上バックアップする心強い存在、本当でしたら頼りになるはずの存在である管理会社、
なのに、管理組合からの評判がすこぶる悪い?!事が多いです。

なお、管理会社が行う業務の内容については、事前に締結される管理業務委託契約に基づいて委託され行われます。
その為、この管理会社と管理組合のとの関係は、委託者、受託者の関係ではありますが、
お互いお互い良好な信頼関係でないと、なかなか運営面でうまくできません。

ただ現状はと言いますと、マンションの管理においては、”素人の”管理組合と、”専門家、管理のプロ”管理会社の関係もあり、
事実は、委託契約はあるものの、管理会社が業務や方向性を示しお膳立てして、そして引っ張る、それに管理組合がついていくといった感じでしょうか?!
また、管理の主体である管理組合も、面倒なことはやりたくないし、やってくれるならお任せしたいその方が楽だし。。。
そういった気持ちで管理会社にまかせっきり、おんぶにだっこという状態が多かったかもしれませんが、
ただ、そういった任せっきりの状態が続きますと、関係性などやはりどこかでおかしくなる?!
やっぱり管理組合がしっかり興味を持って見ていないと、そう自分たちがしている仕事に興味がないなら?!と、
ダメな管理会社、フロントマンが、マンションの事を考えた提案ではなく、”自分たちのため“に好き勝手工事を行うなどして、管理組合の利益ではなく、自分たちの利益を優先する、そう、利益相反のような行動を、大小ありますが、少なからずおこってきました。

そういったことから始まり、徐々にお互いの信頼関係が壊れていき、そして業務的な対応の不備も等も重なると
ますます信頼関係が崩れて、結果的に素人の”管理組合と”管理のプロ”管理会社の関係から、”素人の”管理組合vs”管理のプロ”管理会社の関係に変わってきます。

正直、会合等で、管理組合の役員様の話を聞きますと、ほとんどが管理会社の対応について”納得いかない!!”という話が大半です。
話を聞きますと、確かに”そのようの思われても仕方ないなぁ!?”と思われるような対応が多いのですが。。。

ただ、私も賃貸ですが管理の仕事はしており、少し異なりますが、管理の仕事をしている立場で言いますと、
ほんと管理会社は多種多様、見えない部分での調整作業、フォロー、下準備等、細かな部分で、マンション管理運営の業務をおこなっております。
また組合員の方にも色々な方がおられ、その話は不条理ではと思うような話も実際あります。
まさに、今東京都でも話がありました” カスタマーズハラスメントの話“ です。
また、それらを含めて、実はこれまで管理委託契約書以外のグレーな色々な仕事もしてきたのも事実です。
それをこれまで管理組合と管理会社との信頼関係のもと、また管理会社もお仕事を切られたくない事から、多少の事ならサービスで?!と、
これまで、我慢していたのか、暗黙の中 “なぁなぁ” でしていた内容でもあります。

ただ、この話も、コロナ以降、ウクライナの戦争などの影響伴う、ここ最近の大きな社会の変化により、社会構造の問題である少子高齢化に伴う現場での仕事を含めた働き手不足に、インフレ等のコストアップ、
またこれまで工事等をさせてもらっていた事も、お互いの関係悪化やまた過工事費用の精査により、工事実施の承諾得られず、その結果、収益面で、管理会社も経営方針を変えざるを得なくなった事もあるかと考えます。

そして、経営方針の変化は、マンション管理組合と管理会社との関係にも変化をもたらし、管理会社より、採算が合わない、そして、面倒な管理組合とは関係の見直し、そう管理解約、標準管理委託契約の見直しに伴、業務内容の見直しが図られ、発言力を増してきています。
それは行政のカスタマーズハラスメント、労働面での法律の見直しなどが後押しされています。

そんな状況下でのマンション管理組合による管理会社とのお付き合いですが、
上記でも書きましたが管理会社は幅広い業務をしており、実際自分でその業務をすることは難しい為、
今後も良好な関係を築きつつお付き合いする事、また任せっきりではなく、お互いが業務に関心を持って牽制するような関係が望ましいと思います。
また、従来のサービス全てを今後も求めるのは難しいと思います。
遅かれ早かれ必ず変化を求められます。(どこの管理会社でも、絶対、何か他の業務に歪みが出ます)もしこれまでの関係を無理に進めると管理会社がおそらく関係を見直すと考えられます。
なので、もしそれでも求めるのであれば費用をその分多く出すか?!(コストアップ、ただ金額の精査は必要です。)また、もう一つは業務内容を見直すか?です。
必要な部分のみにして業務を明確にする。
そう、これまでのグレーな業務を含めて、どこまではして、どこまではしない(契約ごとでの当たり前の事ですが)を明確にする。
その中でお互いの信頼関係を再構築する必要があるのではないかと思います。

以上のように管理会社との間で不満になられる気持ちは、私も実際自宅マンションでも少なからずありましたので理解できますが、
両者、良好な関係を築きつつ、そして、任せきりにせず、管理組合にて、しっかりと管理、監督ながら、自分たちの住みやすい環境づくりに協力してもらうのか?ビジネスパートナーとして、お使いできるのか、その辺りが大事ではないかと思います。
ただ、実際のところ、このような話については、小規模や投資用、リゾート等のマンションでは、管理組合の役員び不足、そして費用的な事で、管理会社との関係が築けない、そもそも、管理会社管理をしない、そう、関係性の土俵にも乗らないマンションも出始めているのも事実で、そのあたりは、第三者管理など管理方式自体の見直しも必要な場合もあります。
その辺りのお話は長くなるので、また改めてさせて頂ければと思います。

という事で、今日は管理会社との付き合い方について私なりに書かせて頂きました。

それではまた!

(マンション管理士 橋本 和聡)