橋本ドンのマンション管理での嘘のようなホントの話?!(第四十四歩)
■自然との関わり、対応を甘く見ると大変なことに?!
マンション管理士の橋本です。
まだ暑い時もありますが、ようやく、例年の季節の移行が進んでいますよね。
これから、紅葉などの秋、そして寒い冬と、これまでの暑い時期から反対の寒い時期に切り替わります。
暑い時期、寒い時期、皆様はどちらがいいですかね?
どちらもいや?!そう、私も間の春と秋が好きですね??
と、前置きはほどほどにして、
今日はマンションの管理運営上、特に建物のメンテナンスにおいて、敷地周り、外部要因によるトラブル、
リスクについて話したいと思います。
これからのマンションにおいて、管理運営上は、外部要因、季節移行にともなうトピックスとしては、10月が台風が最後のピーク、11月は紅葉に伴う落ち葉に、12月1月は雪、寒波など寒い時期とあります。
そして、それに伴い、マンションにおいては、その建物はもちろんですが、その敷地周りの管理も必要になってきます。
なお、それらのことは共用部の管理会社を中心に専門会社にて対応されているかと思いますが、メンテナンスだけでは、対応しきれない、案件やトラブルも当然あります。
なお、ここ直近の話ですと、夏場の木々の成長にともなう、除草、剪定等の対応もありますが、秋には、紅葉の落ち葉がすごい量落ちてきます。
これらの清掃は、通常の日常清掃の範囲になるのかもしれませんが、この紅葉の時期の落ち葉は、対応すれば分かりますが、日常清掃時に回収をしても、あっという間にゴミ袋が数個になることは当たり前ですし、その対応の労力たるや、かなりの重労働です。
それを放置しますと虫の発生、汚れにもつながりますし、そして、何といっても怖いのがこの落ち葉が共用部の屋根等にある排水口をつまらせ、プール状態にしたのち階下への漏水事故につながることがあります。
特に共用部の排水口は高所など、人があまり行かないところにある為、普段見ない、放置しがちですし、何気に11月は長雨もあることも?!
その結果漏水事故につながった例は、業務上何度もあり、苦慮したことがあります。
実際に、自分自身が実際に住んでいるマンションにおいても、同じような事例もあり、集会室が漏水したのですがエアコン故障も含めて、百何万の復旧費用が発生しました。
実際、給排水管のつまり等が原因での話にて、保険で対応できましたが、保険等の内容によっては、全額適用されないケースもあり、大きな建物リスクになりかねない内容にもつながります。
また保険適用できたのはよかったものの、その結果、また保険料があがることにつながりかねず、結果、コストアップにつながったりします。
(また更に自宅マンションは、その排水口のつまりに加え、地中に埋設されている排水管にも、木々が成長した結果、見えない地中の配管に木の根が侵入し、排水口塞ぐといった事があり、改めて自然、植物のパワーを感じた次第です。)
また同時に、敷地があったり、また周りの環境によっては、当然のそれにともなう色々な虫や動植物も入ってきたりします。
かわいい話でいいますと、私の住んでいる自宅マンションは少し周りに自然が多いので、夏場の蝉や蜘蛛などが廊下には当然いますし、小鳥等でしたらベランダにも入っています。
また敷地にはハクビシンが堂々と歩いているのも見かけたりしもします。
なお、横浜等では、ハクビシンだけでなく、リスやタヌキ、大きいので言えばアライグマなども山近くでしたら現れます。
なお、これらの動植物の中で厄介なのが私の天敵(私は鳥が苦手です)鳥類関係です。
ネズミ等は進入路や駆除に関して対応が出来ますが、鳥類に関しては、空から、そう、こちらは外から飛来して建物に住みつくパターンです。
代表的なのは鳩、そして、燕です。
その中でもマンションで問題になるのが鳩被害です。鳩は自然の多いところ、田舎だけでなく、結構街中、都内でも山の手園内でもおり、被害を与えています。
鳩はベランダに住み着き、巣を作り、子育てをします。
その結果、糞害(悪臭、汚れ、衛生面での問題)や鳴き声による騒音、また羽等をまき散らします。
そしてさらに厄介なのが、その駆除や予防等の対策が結構難しい点です。
まず駆除については、鳥獣保護法といった法律の関係で、素人等にて駆除することが出来ず、資格にある人が役所等にて申請をして初めて駆除できるものにて、その作業までの期間や費用等がそれなりにかかります。
ましてや雛が生まれますと、巣立つまでやりきれないといったケースがあります。
そしてもう一つがその対応、予防方法です。
一番効果的なのはネットによる物理的に封鎖するのがいいのですが、建物の美観や、自身の部屋からの眺望にどうかという点です?!
そう自宅のベランダ周りにネットが張られている状況。。。
あまり気持ちのいいものではないですよね?!
また、その他、手すりやベランダ内にワイヤーや駅であるような剣山、その他電流等の予防方法もありますが、鳩も結構賢いので効果として、そこまでなく、微妙だったりします。
あわせて一番の問題は、そこに住む専有部の人の対応になる場合があるため、私のように仕事でしていれば何らかの対応を自分たちで対処できますが、出来ない人ですと、放置我慢されるケースがあり、その結果、その横のお部屋、近隣に害を起こし、隣人トラブルになるような、マンションにおいて大きな問題になりかねません。
また、更に鳩は、仮に上記のような対応ができ、効果を発揮して、そのベランダ等には来なくなったとしても、自身の部屋には来なくなっても、横や近くのお部屋に移り住むので、マンション全体での対応を検討しないと難しいのですが、そこまでされているマンションは少ないと思います。
実際これらの動植物の問題トラブルの対応については、本当に難しいです、特に外部から飛来する鳥関係はどこから、どのタイミングで来るかわかりませんので都度都度対応にすることになります。(早急に対応しないといけなかったり?!)
逆に敷地周りの植栽や木々については、年において定期的にメンテナンス、草木の剪定などを行い、落ち葉等の処理を軽減するといった形での対応になります。
ただ自然の成長のスピードやその繁殖力は、考えている以上の事が起こるケースもありますので、なかなか難しい問題であったりします。
自然との関わり、対応を甘く見ると大変なことになりますね??
ということで、マンションにおいて、自身のマンション自体をしっかりと維持管理が出来き対応できていても、このような自然や外部からの影響で大きなトラブルになりかねないことを、2点ほど例に挙げ、お話ししましたが、その内容をご理解頂き、予防や何かあった際に迅速に対応できる体制を構築して頂けましたらと思います。
そう、こういった案件を対応するたびに、ほんと建物の維持管理は難しいと改めて思う私でした。
それでは、また!
(マンション管理士 橋本 和聡)