橋本ドンのマンション管理での嘘のようなホントの話?!(第四十八歩)

■皆さんの周りでも起こるかもしれません?!

マンション管理士の橋本です。
まだまだ寒い日が続きますが皆様いかがお過ごしですか?
3月になり、ようやく冬から春へ、今月の後半では桜の開花する時期でもあります。
私は、普段、賃貸管理の仕事をしており、この時期は繁忙期の時期にあたり、慌ただしく過ごしています。
そして慌ただしい時期にはミスや事故が起こりやすいです。ただその中でも、ある程度、確認や予防により未然に防げるもの、被害を最小限に抑えることができるものもありますが、同時にどうする事も出来ない、またたまたま起こる不可抗力なものもあります。
そういった意味で、先日の道路陥没による大きな事故などがその代表でしょうか?(もう少し予防に目を向けていれば、違った結果になったかもしれませんが。。。)

ただ今回の道路で起きた陥没事故、住まわれているマンションにおいても、そういった事故やそれに近い事象が起こっている事、皆様はご存じでしょうか?

私は、建物管理の仕事をしていて、実際そういった事象の事故トラブルに関わる事がありました。それはどういった事かと言いますと、
建物、マンションなどにおいては、水を供給する給水管もありますが、その水を流す、排水管があり、その排水管には汚水管、雑排水管と別れて設置されている構造もあれば、途中合流するもものありますが、基本それが、建物共用配管(横引き、縦引き配管)を通って、敷地を通り、道路などの公共下水につながり排水されます。
しかしながらここで起こる問題は、感のいい方ならお分かりかと思いますが、建物から公共下水に流れるまでの間、そこに埋まっている配管で事件が起こります。
というのも、日本は自身大国、大小毎年数えきれないほどの地震がありますし、関東な場所によっては地盤がそれぞれ異なります。
そんな条件下において、建物から公共下水までの敷地周りに埋設されている横引き管、そして、途中途中、中継、点検するために設けられた排水桝につながっており、こちらも敷地周りに埋まっており、そこが、軟弱な地盤であったり、地震の揺れが大きかったりしますと、地中に埋まっている埋設配管が途中で折れます。(これは本当の話です。)
そうなりますとどうなるか分かりますか???
結果、排水された水が配管内から外に流れ出し、それと同時に土中の土も合わせて流しだし、そして徐々に、そう徐々に流れ出した結果、埋設部分で空洞ができます。その結果地盤が軟弱になり、今回のような事故のような地盤沈下、陥没という流れになります。
ちなみに、こちらの写真は、私が対応した案件ですが、

もともとは、排水つまりが原因で、その究明のため、カメラを入れて、詰まっているところを特定し、その付近の床面を斫つり、開口した結果、

配管が途中で折れており、

更にその周りに水が漏れ、土が流れ出ていました。

ただマンション内においては、配管の規模もそこまでありませんし、
大体は割れた配管に汚物などが引っ掛かり、排水を詰まらせ、部屋内に逆流するといった事が起こることが多いので、陥没まで至らないことがほとんどですが、ただ可能性として、十分、先日のような道路陥没といった事故が起こるリスクは存在します。
ちなみに、こちらの写真も経年なのか、他の力、そう、地盤沈下や地震等にて、配管が割れて、配管がズレ、そして、下に落ちた結果、

排水のつまりが起こり、館内に水が逆流するという事が起こっていました。

そして、このような事故の発見が、なぜ遅れるのか?という事になるのかもしれませんがやはり普段からのメンテナンスで難しいのが、見えないところでの部分です。
可視化できれば見て判断し、予防することできますが見えていないところは、対応がついつい油断しがちです。(そして、点検、予防として、確認しなかった<できなかった>ことから、先日のような大きな事故が起こったのでは考えます))そう、対応が後回しになることが大部分です。結果、大きな事故につながりかねません。また費用も掛かる事から、どちらかと言いますと、”やろう!!“という気になりにくいのも、事故がなかなか改善されない要因かもしれません。
そのため、予防としては、定期的にされている雑排水管洗浄作業の際に、必ず洗浄と併せて配管の状況をチェックする。そして、異常があればすぐに改善する。そう事故が起こるかもしれないという、もしかしたらという気持ちで注意をしながら点検することが望ましいです。
という事で、今回は、世間で起こっているような事故は身近なところ、自分たちが住んでいる生活環境においても起こるかもしれない?!
といった事をご理解いただきたく、過去の対応事例を含めてご紹介をさせて頂きました。
それでは、また!!

(マンション管理士 橋本 和聡)