避難生活に役立つカトー折り(第二十七歩)
■転機に気づく
カトー折りの散歩道をお読みいただき、ありがとうございます。転機ってありますよね。人生の転機といえば、就職、仕事、結婚、新居だとか、いろいろと思いつきますが、そういう誰もが見える、わかる転機というものも大事ですが、急に英会話ができるようになったとか、心が楽になったという自分自身の中で転機が起きて、人生がバラ色に感じるようになったという転機もあるでしょう。読書が楽しくなった、書道を好むようになったとか、趣味の転機もあるでしょうね。
そういう転機というものに気づいてみませんかという話です。実は私、約束の日にちや時間をものすごく勘違いすることがあって、周囲に迷惑を掛けたことがあったのです。お誘いがあったのに、忙しいを理由に返事をしないことがありましたが、そこには返事がない場合は参加することになりますと断り書きがあったんですね。とても大切な仲間なのに、参加はしましたが、たいへんな迷惑を掛けたことがありました。すると、スケジュールの管理の不手際でその後もあわてて遅刻しての参加があったりして、これはやっぱり私はボケが来たのかなと思いました。いえ、そうじゃなかったのです。単純にスケジュール管理がきちんと出来ていなかっただけでした。
今回、カトー折りの散歩道も締め切りぎりぎりで書いていますが、約束を守ることとは、スケジュール管理をきちんとすることだとわかったときに普段からスケジュールをどんどんやって、どんどんやっても損はないということに気づいたのです。今回も澤さんから期日が迫っていますというメールが来ました。じゃ、期日通りにコラムが書けるかというそうではないと思いますが、書ける気がしないと書けないのです。約束を守るということはそれを行動するということですが、行動する気持ちになれないと約束は守れませんよね。大事なのは、そういう気分を、ムードを、心を、気力を、バネをぐーーっと押し込んで、パンっと放って、行動するしかないのでしょう。私は行動するならば、その逆をすることが大事だと思いました。何もしないこと、それをしないことで、つまり、それをするために、あえて、それをせずに、シャワーを浴びたり、買い物に行ったり、読書をしたり、好きなことをして、楽しむ、遊ぶ、息抜きをすることが大事だと気づいたのです。
何か無駄のように聞こえますが、その約束を守るために、あえて、それを意識して、気持ちをそこから、そらすのです。そうすると、「あっ、何か書けそう」という気分、身体が勝手に書きたくなってきたぞ」そういう風に潜在意識、無意識の領域からその行動が出てくるのです。健在意識というか、脳は、勝手に書いているその文字を眺めているだけです。とても楽な気分でそのコラムを書けるんですね。
実は、カトー折りも無意識に勝手に指が動いて、紙をいじるようになって、こう折ると、箱が丈夫になるが、こうすると、壊れやすいなぁと勝手に指が動いて、思い通りに箱ができるようになるんです。そう、目標とする、意識する事柄をしっかりと脳に叩き付けてから、それから放置することで、今度は心の方から、身体を使って、解決するように協力してくれるんです。
あー、こういうことって、簡単になると、夢中になるということなんですが、そう、この夢中になることが人生を動かすじゃないかと思うのです。その夢中の夢、つまり、目標、意識していること、そういう目指すことに楽しく集中している自分というの気づいたときに、実はそれは心に転機が来た証ではないかと思うのです。
我がマンションにおいては、大規模修繕工事の設計会社が決まり、その調査が始まっています。やっと軌道に乗ってきたように思えます。これも徹底的に委員会で話し合って、一時は、すごく停滞していたときがありました。しかし、そういうときに限って、老朽化などで修繕すべきところが見えてきたときに自然と委員会の心が一つになって、動き始めるというものです。なかなか進まない計画についても念入りに何度も練っていき、一度は諦めそうになっても、いずれ開けていくという転機がやってくるというものです。諦めずに、夢を、人生を、楽しくいきましょう。「夢中になることが人生を動かす」のです。(カトー折り 加藤 祐一)
■今月のカトー折り
~道具がなくてもつ繋がる~
今回、カトー折りは、紙を道具を使わずにくっつける、繋げるところを体験していただくものです。ただの折り紙と違うところを体験してみてください。この発見がカトー折りの転機だったかもしれません。