カトー折りの散歩道(第三十五歩)

■きっかけはなんだっていい

元旦から能登半島地震があって、私たちの日々もこの暮らしに感謝と、明日は我が身かもしれない緊迫感があって、落ち着かない。そういう中で「そろそろコラムをお願いします」と原稿依頼のメールが来た。

どうしたもんだが、どう書き始めたらよいか、気が乗らない。この気が乗るか、乗らないか、これってスゴく大事なポイントだと気づいたのだ。気が乗ってきたから書けるようになる。スラスラ文章が降りるようになって、それをただ書いているだけなのだ。そうなったきっかけをちょっと書いてみたい。

テレビのニュースでは輪島の朝市をやりたくなってきたとウズウズしてきた地元のインタビューの場面があった。そのとき、その気持ちがわかったような気がしたのだ。なぜかということ、そのちょっと前にエックス(ツイッター)を見ていた。被災者支援を給水車から受水槽に吹雪の中で水を入れる自衛隊の人たち、道の整備を寝ずにがんばる地元建築業の人の声、快適なトイレカーを運んできた人たち、そういう場面をエックスで#能登半島地震#避難生活で、探したら、そういう胸が熱くなる写真にたくさん出逢うのだ。いつのまにか涙を溜めながら見ていた。そのあとにそのニュースを見て、みんなから元気もらったからやるしかない、朝市出すぞという言葉を聞き、またグッと来てしまった。それでなんかこっちまで元気になっていて、あら、笑顔、癒やし、元気ってすごい大事だなぁーと思って、それを逆に頂いたような気になってしまった。

いま、コラムにしたためてみて、そもそもエックスなんて、日頃見ないのに、そのきっかけとはコラムが書けないからという思いがあって、カトー折りが避難生活に役立つと言ってもなぁ、実際の場面でそれをなかなか見ない。現状ではどうなんだろうという思いがあって、エックスを見たわけである。

何はともあれ、きっかけはなんだっていいのである。まず、始めること。行動すること。そのきっかけを大事にして、はじめる。そのうち姿勢を正して、向き合おうという気持ちが芽生えるから。

いやーマンションの大規模修繕や耐震対策にも向き合うのもなかなかたいへんだが、そういう取り組みには何かをきっかけを上手に使って、その先に心を許しあって頑張ろうという場面があれば、自然に望み通りの結果がついてくる。それを自然体な姿勢で、みんなで乗り越えていけたらいいですね。(カトー折り 加藤 祐一)

■今月のカトー折り

~カレンダーで大皿を作ろう~

今月のカトー折りは大皿をカレンダーで簡単に作れる方法を紹介します。これにアルミホイルで被せれば、立派な大皿になります。お試しあれ。