カトー折りの散歩道(第四十歩)

■鼻を高くしている場合じゃない

「家庭防災員になりませんか」というチラシがあり、3か月前に応募しました。そして今日は、その講習会を受講するために消防署に行ってきました。自治会や町内会からの応募が多く、教室は満員でした。講習会は2時間半ほどで、1か月に1回、3か月にわたって行われるものです。

私は防災士であり、消防団員でもあるので、少しゆとりを持って受講していました。最初のマニュアルの説明などは、「そう、そう、こういうものだ」と思って聴いていました。しかし、これは最新情報ですが、能登半島地震の被害者数や復旧状況の影響を受けて、避難所や避難の方法の考え方がどんどん変わってきていることがわかりました。ハザードマップの見方も丁寧に説明されると、なるほど、そういう順番で見るとわかりやすいし、タイムラインの記入の仕方もやさしく指導してくれるとよく理解できます。実際に風水害の自分のタイムラインを書いてみると、いろんなことに気づきます。知っているだけでなく、実際に書いてみることもとても大事だと思いました。

そして極めつけは巨大地震体験車に乗り込み、揺れを体験することでした。よくあるイベントですが、面白がって乗ってみたら、とんでもない体験でした。その揺れの恐怖体験が身体に刻み込まれたように感じました。がっくん、がっしゃ、がっしゃ、がくがくと左右に縦に激しく揺れる感覚は初めての経験でした。その後、流れ解散となり、放心状態で雨の中をトボトボと歩いて帰りました。

地震対策について何をしなくてはいけないか考えるまでもなく、必要な対策が目に浮かぶようになりました。私は防災士だから遠慮するとか、身につかないからいいとか、繰り返しだとか、いろいろな理由がありますが、これだけ防災についてPRしている理由があったのかもしれません。知っているからいいという事柄について、その知識がどんどん古くなっていることに気づかないだけだと思いました。

マンションの大規模修繕が8月から始まり、注意すべきことやルールも変わってきています。知っているからいいというめんどくさがり屋が多いと思いますが、本当に必要な知恵と技術は常に新しく更新されていることを知っておくべきです。そして、鼻を高くしている場合じゃないということです。

(カトー折り 加藤 祐一)

■今月のカトー折り
~ティッシュボックス式袋~
ティッシュを出すのに便利な形をしていますが、これを仕舞う袋、捨てる袋にしてみるというものです。このアイデアが出たのは、マンションでトンボを捕まえた子供がいて、手に持っているのを見たときです。そこで私が近寄って、紙を折って虫かごを作ってあげました。その結果、手に持たずに持ち帰ることができました。そこで、不要なレシートやメモを一時的に仕舞う袋を作ってみましょうという提案です。