アメリカ便り(第二十歩)

■ホリデーシーズン

アメリカでは、デパートやグローサリーストアその他の商業施設が、ハロウィンのデコレーションを撤去するのと同時にクリスマス仕様のデコレーションに切り替わります。マンションやアパートでも、入り口やロビー、エレベーター周辺などに設置されたライティングや、リース、ツリーなどが装飾され、それを目にすると、「ああ、もうそんな時期なんだなあ」と季節を感じます。

感謝祭は毎年11月の4週目の木曜日。年中行事の中で、祖父母や親戚、友人など、最も多くの家族が集まるイベントなので、日本のお正月やお盆の時期のような印象があります。ちなみに、クリスマスは家族単位のイベント。お正月は無く、年明けのカウントダウンを祝う程度なので夫婦やカップル単位のイベントのような印象です。

と言う事で、感謝祭近くになると多くの人が各々の実家に帰省します。その為この時期は国内の移動が増えますから、有給休暇を取り余裕を持って長距離移動をする人が多くなり、オフィス街など職場はお休みモードが加速され11月と12月は職場もがらんとしていてゆっくりしています。(アメリカは日本と比較して国民の休日がかなり少ないですが、企業が有給休暇を推奨していて、どんなに忙しくても家族優先で休暇を取っても良い文化なので、この点に於いてもアメリカ企業で働く方が良いと思ってしまいます。)

そして、感謝祭当日は、ターキー、クランベリーソース、グレービー、キャセロールなどの料理を食べ、アメリカンフットボール観戦をするというのが典型的な過ごし方ではないかと思います。私自身も感謝祭ディナーに招待されたり、また主催者家族とともにディナーの準備をした事もあります。その際には簡単な日本料理を振舞って喜ばれたこともありました。毎年同じ料理を食べている彼らにとっては目新しいディッシュが増えて良かったのかもしれません。

サンクスギビングディナーで腹ごしらえした翌日はブラックフライデーのショッピングに行くのが一般的なようです。ショッピングモールには駐車場に入りきれない車が渋滞を作ります。これもこの時期ならではのことです。コロナ禍対策で大勢の人たちが集まる事を控えてきていましたが、今年はより一層の盛り上がりを見せるのではないかと思います。

先日、ダラスのフリーウエイをドライブ中に、ラジオのコマーシャルで女性の独り言が流れてきました。それはこんな内容でした。
「もう11月なのねえ。サンクスギビング(感謝祭)の準備を考えなくちゃいけないし、その後はクリスマスの用意もあるし、でもその前にやらなくちゃいけないことも沢山あって、あれもやって、これもやって、ああどうしましょ。もう大変!はぁ。。。」
と、コミカルながらもため息まじりのセリフが現実的でとても共感してしまいました。確かに、10月はハロウイン、11月は感謝祭、12月はクリスマス、とファミリーイベントが続きますので、特にお子さんを持つお母さんはこの時期は何かと大変だろうなと思います。
がんばれ世界中のお母さん!(米テキサス 谷 景太)