アメリカ便り(第二十四歩)
■オハイオ州の脱線事故
去る2月13日にテキサス州の南部にあるヒューストンから少し北にあるスプレンドラという街で、Union Pacific の貨物列車がトラックと衝突して脱線した事故がありました。沢山の貨物列車が横倒しになり一人亡くなりましたが、現場地域の住人への環境的な影響はないということでした。
・Texas train derails in collision with 18-wheeler, leaving driver dead
https://www.foxnews.com/us/texas-train-derails-collision-18-wheeler-leaving-driver-dead
この事故について調べるうちに、全米で今年の2ヶ月間で既に12件以上の脱線事故が起きていることがわかりました。一体何が起きているというのでしょう。
・今年の2ヶ月間で既に12件以上の脱線事故が起きていることについての記事
https://www.newsweek.com/more-dozen-trains-have-derailed-us-this-year-1780952
・ミシガン州での貨物列車脱線事故についての記事
https://www.usatoday.com/videos/news/nation/2023/02/17/investigation-ongoing-after-norfolk-southern-train-derails-michigan/11280111002/
・フロリダ州での貨物列車の脱線事故についての記事
https://www.msn.com/en-us/autos/news/train-carrying-propane-tanker-derails-in-florida-no-leakage-reported/ar-AA184rBv
そして、テキサス州での脱線事故のわずか10日前、2023年2月3日に、オハイオ州イーストパレスチナでNorfolk Southern社の貨物列車の脱線事故が起きていました。詳細については下記リンク先の日本語ニュース動画をご参照ください。
オハイオ州列車脱線事故で水質汚染
https://youtu.be/0KBVZXuk68Q
以前、フロリダのマンション崩壊事故について調べた時もそうでしたが、今回の件もかなり不思議な事が起きています。
まず一つは、この「オハイオ をチェルノブイリにしてしまった」と言われるほどの事故が起きた時に政府からの対応が全くなかったとの事です。また、現地のローカル局以外のメジャーなメディアは、事故当時は気球騒ぎ一色でこの事故について全く触れなかったそうです。しかも事故当日、当局からの発表があった会場を取材しようとした記者が逮捕されています。
そして、2023年2月23日、オハイオ州の東に位置するウエストバージニア州やメリーランド州で謎の白い埃が降り続いたそうです。当局は、窓を閉じてなるべく外出しない様にと市民に呼びかけました。この原因についてはまだ判明していない様です。
更には、同月26日、オハイオ州に向かっていた5人の科学者の乗っていた飛行機が事故を起こし、全員死亡。
https://www.snopes.com/fact-check/five-scientists-plane-crash/
最後に驚きの事実。多くの住民が避難せざるを得ない状況に追い込まれてしまったわけですが、なんとこのオハイオでの事故と全く同じストーリーの映画が昨年12月にNETFLIXで公開されていたのです。しかも、この映画の中での化学物質の流出事故現場が、オハイオ州の脱線事故と全く同じ場所の東パレスチナ市で撮影されていて、その際にエキストラで街から逃げる市民を演じていた人たちが本当に避難しなければならなくなっていたとの事です。
映画の題名は「ホワイトノイズ」。作家ドン・デリーロの同名小説が原作の『ホワイト・ノイズ』は、化学物質の流出事故に見舞われ、死を恐れ錯乱してしまった大学教授(演:アダム・ドライバー)が、命を守るため家族とともに逃走する姿を描く、叙情的で不条理な物語。現代に生きる家族が“死”を身近に感じる環境下で、愛や幸福といった普遍的なテーマに向き合っていく。
というお話。
https://www.whitenoise-jp.com/
テレビではこうした偶然について取り上げることはもちろんしませんが、バイデンは先日ようやくこの事故について言及し、そのうち現場を訪れるとの事でした。いやー、まさに「事実は小説よりも奇なり」とはこういう事でしょうか。
オハイオ州の化学薬品による汚染について、ミシシッピ川下流への悪影響が懸念される中、テキサス州への影響は地理的にないと思いますが、長期的な水の汚染への影響など、ライフラインに影響のある様なニュースには敏感に対応して行きたいと思います。日本では水道局が民営化された地域での水質悪化が話題になっている様ですが、こちらに関しても当然そんなことをテレビで放送する筈がありません。自分で情報を探しに行かないと一方通行のメディアからの情報だけではコントロールされてしまいます。資本社会で生きていく中で、私たち一人一人が声かけあい、確かな情報を得てしっかりとした生活基盤を作っていきたいと思います。
参考までに、ポーランドでは、8つの優秀なアサリが川の水質モニターとして使われている様です。実に素晴らしいアイデアですね。良いことはどんどん取り入れたいものです。
Clams guard Poland’s drinking water
(米テキサス 谷 景太)