アメリカ便り(第三十九歩)

■パークディストリクト

6月を迎え、ダラスの気候も暑さが増しています。いかがお過ごしでしょうか?

以前から感じていたことですが、テキサス州の天気予報が東京の天気予報に何故か似ています。明日、東京が雨模様ならダラスも同じように天気が崩れるといった具合。地理的に似たものがあるのか偏西風の動きがシンクロしているのか、その理由は全くわかりませんが、不思議なくらいに似ています。是非一度チェックしてみてください。

しかしながら、当然大きく違う点もいくつかあります。その一つがトルネード。この季節、アメリカ南西部では湿気を伴う雨天の日が多く、同時に複数の大型トルネードが発生してタッチダウンしたエリアを破壊してしまうなどの大きな災害が発生する時期でもあるので天候には常に注意が必要です。

先日は、野球のボールサイズの大きな雹(ひょう)が降った地域もあったようで、トルネードによるものではありませんでしたがダラス市街地全域がダメージを受けました。実のところ、雨風が止んで2日経った現在でもいまだに停電が続いている地域が20万件近くあるようです。
https://stormcenter.oncor.com/

 

この大規模停電によって沢山のレストランが休店せざるを得ないようです。郊外に住んでいる上司の家の近所では大きな木が倒れて電線にひっかかってしまったようで、チェーンソーを誰か貸してくれないかと会社の仲間とメールでやりとりしてました。かなりの大なので上司の方に倒れてこなかったのが不幸中の幸いとのことでした。

 

さて、この激しい雨の降った直後からそれまでの天気が嘘のように晴れ上がりあっという間にそれはまるで台風一過。気温も30度近くまで上昇しまして、リフレッシュ目的で近くにある公園まで足を延ばしてみると噴水ではしゃぐ子供たちで賑わっていました。

 

 

 

 

このクライドウォーレンパークは、テキサス州ダラスのダウンタウンにある5.2エーカーの公園です。公園はウッドールロジャースフリーウェイの上にあり、2012年にオープンしました。公園の開発に1,000万ドルを寄付したビリオネアのケルシーウォーレンの幼い息子であるクライドウォーレンにちなんで名付けられました。この公園では、フードトラックが駐車できるようなスペースを多く作り、芝生の上でダンスやヨガなどの参加費無料のクラスを開いたり、夜には大型スクリーンで映画を上映したり、ジャズコンサートなど様々な催し物で人を読んであっという間に人気の公園になっています。

 

 

 

 

 

ところでアメリカでは公園地区という組織が全米各地で普及されています。PARK DISTRICTと呼ばれていますが、クライドウォーレンパークのような公園のメンテナンスをしたり、イベントを催したりするなどの文化的な発展を目的とした活動をする団体です。

 

妻が子供の頃にニューヨークのグレイトネック地方に住んでいた時に英会話を教えてもらっていたルース(Ruth Tamarin)さんという方がいました。彼女は長い付き合いがありましたが、彼女はロングアイランドで学校の先生を長年され、リタイア後に地元の生活環境を改善する目的で設立された公園地区の区長さんとして選挙で選ばれ、15年以上活動されていました。その間、沢山の公園を地元の地域に作り、そのおかげで街の雰囲気がとてもよくなり生活しやすい街になったと生前自慢げにおっしゃっていました。

https://www.gnparks.org/
https://theisland360.com/opinions-100/tamarin-has-record-of-improving-gns-parks/

公園があることで、メリットデメリットいろいろとあるかもしれませんが、私としてはやはり遠くからでも子供たちのはしゃぐ声が聞こえてくるとそこからエネルギーを頂くことができます。コンクリートのビルの中なので、ちょっとした緑もあるこの公園は憩いの場として普段の散歩コースとしては外せない公園になっています。

先日、ルースさんの命日だったこともあって、なんとなく彼女の事を思い出しながら歩いていました。公園やプールを作るなんて面白そうなプロジェクトをされてきたなあと、考えたらなんだか楽しいことばかり思い浮かんできてワクワクしてきましたが、ルースさんももしかしたらそう感じたこともあったかもしれません。私もいつか日本の実家の前にでも小さな公園をつくれたらいいなと思いました。やりたいことリストのひとつに加えておこうと思います。

(米テキサス 谷 景太)