アメリカ便り(第四十八歩)

■ニーマンマーカス本店の危機

トランプ二期目政権がスタートして1月が経ち、怒涛の如く国の再建が進められています。不法移民逮捕、USAID解体、WHOからの脱退、緊急事態管理庁(FEMA)の廃止に向けた動きや、その他アメリカファーストを基準としてどれもマグニチュードの大きいアクションです。加えて、ロバートケネディJr氏や新しいFBI長官のパテル氏など正式に任命されたことでこれまで疑惑の上がっていた様々な項目において透明性のある合理的な政策が行われていくことが期待されています。

昨日、ゼレンスキ氏とトランプ・バンス氏の対談がありましたが決別するような結果となり今後の展開に世界中が注目していると思います。これまでのバイデン政権の時は世界的にウクライナ支援の流れになっていましたが、トランプ政権としてはこれまでのアメリカからの支援に対して感謝が全くない上に、ホワイトハウスに来る際に戦闘中ということで背広を着用しないのであればせめて軍服を着用して欲しいと要求していたにも関わらずいつものノーネクタイ姿で現れ、終始プーチン批判でいかにもウクライナに支援をするのが当たり前だと言わんばかりの態度でした。退団後に予定されていた調印式や記者会見、食事会など全てキャンセルされてしまい、今後ウクライナとしては新しい代表者あるいはネクタイ姿のゼレンスキーが謝罪して出直すなどしない以上、アメリカからの支援はなくなりそれに伴って欧州からの援助もますます下火になっていくと思われます。そんな中、日本としてもこれまでのようにウクライナ支援を続けるのであればトランプ政権は日本を敵対し、既に始まっていると言われている米軍撤退に拍車をかけることになることも想定できます。

逆にそのような関係になった上で日本への関税対策による圧力がかかり、結果的に消費税廃止という流れにならないかと、勝手に期待しています。日本では、いまだに資金ピラミッドによって統制されている旧体制メディアは、当然ながらトランプ政権が進めている改革について批判的な事ばかり伝えているようです。今回、USAID解体に伴う関連ニュースの中で、海外支援の名目で世界中のメディアに支払いがあった事が報じられています。日本のTVで世界情勢を伝えているようなジャーナリスト達にも支払いがあったと言われており、トランプ政権に批判的な報道をする裏付け的な背景がここにあった事がわかってきました。

アメリカファーストの流れで、関税に関して日本にもその影響が出てくる事で、日本の消費税撤廃や財務省解体の流れに良い効果がありますように期待しているところです。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、先日、ダラスのファッション界のみならず地元市民にとって象徴的とも言える高級デパートNeiman Marcusニーマンマーカスが、ダラスダウンタウンにある本社のデパートビルを閉店するというショッキングなニュースが飛び込んできました。

100年近い長い年月を、常に全米のファッションリーダー的存在として営業を続けてきましたがついにこの時が来てしまったという印象です。(写真はN M社ダラス本店前にて記者会見をしている様子。著者撮影)

ダラスダウンタウンにとってニーマンマーカスの本店はなくてはならない存在です。毎年、街をあげてのサンクスギビングパレードや、クリスマスシーズンになると店内に飾られた大きなクリスマスツリーのお披露目会があったり、レッドカーペットを敷いてタキシードとドレス着用のダラスの名士主催によるプライベートパーティーがあったり、年末のカウントダウンではメインストリートが人で埋め尽くされるほどの賑わいでした。
同社の親会社であるサックスグローバル社は、「現在、ダラス市とこの象徴的なデパートビルの運営の存続について協議中であるが、今のところ店舗をクローズするという計画に変更はない」とコメント。来週にもその交渉の結果が最終的なものになるだろうとの事です。
同社によると99年間続いたこの歴史的な建物のリース契約が今年の3月31日で終了になり、その後の更新はしない事になっており、去るパンデミックによる影響で同社が破産宣告をした際の取り決めだとの事。

元々ビルのオーナーはニーマン社の創業者ファミリーと親しい間柄であったためリースによって利益を得ようとした事もなくほぼ1世紀の間、毎月400ドルというリース料のままだったそうです。ダラス市のリーダーたちがビルのオーナーと話し合いを行い、土地の一部が市に寄付される事になり、その結果ダラス市が同デパートを市が継続できる可能性が出てきました。
「今回、不動産コミュニティ、ダラスダウンタウンのステークホルダー達、そして長年にわたり情熱的にニーマンマーカスを支えてきた顧客達の協力と彼らの熱意がダラス市にとって良い結果を呼んだ。我々はこのダウンタウンのフラッグシップであるニーマンマーカス本店を今後土地リースなどによる障壁無く維持していく事を約束します。」と関係者は述べています。現在、ダラス市の人口が約130万人、ダラスダウンタウンは15000人が住んでいると報告されています。そんな街の象徴的そして歴史的なデパートを守ろうという素晴らしい行動力のある地元の人々の働きかけによって今回は閉店の危機を逃れられそうです。

ダラス本店の中、6階にZodiacというレストランがあります。古き良きアメリカそのままの雰囲気が今でも感じられるようなお店です。経験豊富なウエイターさん達が気軽に話しかけてくれてサービス抜群。サンクスギビング時期になると美味しいメニューがバフェ形式で楽しめます。また今度行ってみようと思います。(写真は同レストランのインスタグラムより抜粋)

(米テキサス 谷 景太)