アメリカ便り(第九歩)
プロパティマネジメント会社について
先日、ダラス市内のアパート居住者の後輩から苦情の話を聞かされました。頼んだわけではないのですが、興味深かったので概要を紹介します。いったい何があったのかと言うと、アパートの駐車場に停めてあった車の窓を割られ物品の盗難にあったのだそうです。自動ゲートで出入りする駐車場で、外からは見えない立体駐車場でしたが、残念ながら同時に数台が被害に遭われ、修理は自払いだったとの事。また別の日には駐車場から建物に入る頑丈な扉が壊され、誰でも進入できるような状況になってしまっていたり、共同の洗濯室から衣類の盗難、共有空間からの家具盗難など、これら全て今年中に発生。ダラスは治安良いと思っていたのですが、実際のところ一歩外に出れば路上生活者がチラホラといたりするので、油断禁物ですね。
アメリカのコンドミニアム(日本のいわゆるマンション)では、警備員の見回りやコンシェルジュが常駐しているのが一般的ですが、そこまでのセキュリティの無いアパートでは、何かあったときのプロパティマネジメント(マンション管理人)からの敏速な対応が欲しいところです。しかしながら、先述の扉が破壊された件では、報告してもそのままの状態で放置され、修理業者が治すまでに3週間以上かかったり、また、マナーの悪い人によって、ペットの汚物が廊下に放置されたままで1週間放置されたなど、住人にとっては可哀想なアパートのようでした。しかし、後輩いわく、プロパティマネジメント会社(PM)が変わる前までは、そうした問題も無く、電話応対もスムーズで、直ぐに対策してくれたのだそうです。
後輩のアパートは80以上の物件がある中、1名の管理員が住んでいたそうですが、新しいPM会社は少数運営の為、オンサイトの管理員は無く、電話応対も自動音声によるガイドばかりだそうで、対応に時間がかかる事は避けられない状態。駅も近く家賃も15万円以上の物件ですが、やはり最低限のセキュリティの確保は自分でしておかないといけないのが現実のようです。
オーナーが多数いるようなコンドミニアムの場合、それぞれのオーナーがPM会社を探して雇います。プロパティ運営上問題が発生した場合は、PM会社では無くオーナーにHOAから直接連絡。オーナーが責任を持ってPM会社に指示して改善などをさせたりするそうです。そんな中、アメリカで複数の物件のオーナー業をしている友人のCさんは、苦い思い出を話してくれました。それは、一度だけ20歳代のPMサービスをしてくれる人を探して頼んだところ、許可なく大きなアンテナを建物に取り付けてしまい、それがHOAのオーディットで発覚。そのアンテナの撤去をCさんが自らやらざるを得ないことになってしまったんだとか。オーナーは現地にいない限りPM会社の普段の仕事ぶりはわからないので、住居人からの情報がとても貴重なのだそうです。彼女曰く、「PM会社と契約するときに信頼のおける人を一人でも探す事ができるかどうかがキーポイント。それでも住民からの評判が良くない場合は、さっさと違う管理会社を探す。」とのこと。やはりその為には、少々いいお金を払って契約するしかないのが現状だそうです。
さて、このPM業務をする人たちのサラリーについての情報サイト(1)によれば、物件数に応じて年収が増減し450件以上の物件の場合、最低でも年収約800万円から。英語のコミュニケーションさえうまくできれば、きめ細やかな対応ができる日本人の方なら引く手数多の大人気PMプレーヤーになる事間違いないと思いますが、いかがでしょうか。
(1) https://propertymanagerinsider.com/how-much-do-apartment-managers-make/