マンション関係判例集(第二十四歩)
ペット禁止問題 規約関係////////////////////////////////////
4.■ペット飼育禁止条項設置規約改正訴訟 平6年8月4日 東京高判
概要
①被害の発生を問わず、動物の飼育禁止条項を設ける規約改正訴訟
②盲導犬のような特段の事情がある場合でない限り、特別の影響に該当しない (H10.12.26最高判も支持)
3.■規約違反のペット飼育訴訟 東京地判 平27年4月9日
概要
①マンションの住人がペット飼育一代限りとの建物管理規約・使用細則に違反して登録していた2匹の犬に加えて3匹目を飼育していることが判明したことから、管理組合と争いになり、3年間にわたって飼育中止の勧告を受けても聞く耳を持たず、管理組合理事会が飼主に対する訴訟を起こし、飼主側は管理規約そのものを変更すべきと反論した
②飼主の不法行為が認められ、損害賠償として弁護士費用20万円の支払いと3匹目の犬の飼育禁止が命じられた
2.■ペット飼育一代限り決議後の犬飼育差し止め訴訟 平10年3月26日 最判
概要
①ペットの飼育を一代限り飼育を認める旨決議した後、ペットクラブ゛を設立し犬の飼育を開始した者に対し、飼育の差止請求
②共同の利益に反する行為として犬飼育の差止請求を認容した
1.■ペット飼育可能と説明販売後の禁止規約決議で販売者責任平17年12月13日福岡高判
概要
①ペット飼育可能として説明販売後、組合総会で飼育禁止規約が決議された場合
②分譲業者に対し説明義務違反による慰謝料支払が命じられた
ペット訴訟//////////////////////////////
5.■隣人の飼い犬トラブルで現行犯逮捕・国家賠償訴訟 東京地判 平28年6月24日
概要
①隣室の住人の飼い犬(小型犬)への対応についてトラブルを抱えていた原告ら(夫と妻)のうち、妻が、隣室の住人に対して警察官から注意してもらおうとしたところ、臨場した警察官らにより異常者扱いにされ、精神科病院に搬送され精神的損害を被ったと主張し、
②また、夫も公務執行妨害罪で現行犯逮捕され精神的被害を被ったとして、国家賠償法1条1項に基づき慰謝料を請求した
③いずれも理由がないとして棄却された
4.■ペット飼育禁止請求と弁護士費用請求 東京地判 平28年3月18日
概要
①管理組合が、居室で犬を飼育している賃借人と賃貸人に対し、管理規約に基づきペットの飼育禁止と弁護士費用(82.6万円)の支払いを求めた
②飼育禁止についてのみ認め、弁護士費用請求は否定した
③本訴が濫訴、不当訴訟との被告主張(反訴請求)は棄却された
3.■ペット禁止と原状回復費用訴訟 東京地判 平27年11月25日
概要
①マンションの賃貸人から禁止されていたペットの飼育による、キズ、破損、汚損等の原状回復費用を賃貸人が賃借人に請求した
②原状回復義務を負うべきと認容したが、原状回復工事等のために余分に発生したとする賃借人の引っ越し費用については棄却した
2.■近所の犬の鳴き声で神経症を認定 大阪地判 平27年12月11日
概要
①近隣住民が飼育する犬の鳴き声で睡眠障害を伴う神経症を発症したなどとして、住民が飼主に不法行為と損害賠償などを求めた
②「犬の鳴き声は受忍限度を超える。飼い主は調教するなどの飼育上の注意義務を負う。」(民法718条)と認定し、慰謝料、弁護士費用、録音機材の購入費用等(37万円超)の支払いを命じた
1.■野良猫飼育に対する隣人による慰謝料訴訟 福岡地判 平27年9月17日
概要
①自宅及び庭で野良猫に寝床や餌を用意してその周囲に居着かせ、隣接する原告宅の庭に野良猫の糞尿被害を発生させた被告に対し、
②不法行為に基づき慰謝料50万円や弁護士費用5万円の支払いを命じた
(山形 民男)