マンション関係裁判例集(第三十一歩)

マンション借地関係///////////////////////////

10.■マンション敷地賃貸人からの建物明け渡し訴訟　東京高判　平28年4月20日
概要
①マンションの区分所有者に敷地を賃貸している不動産会社が、管理組合、元理事長等に敷地における駐車場整備工事の妨害行為を行ったとして、賃貸借契約を解除して法10条の売渡請求権を主張し相当額と引換えに建物の明渡しを求めた
②東京地判H27年11月27日は損害賠償は認めたが契約の解除(売渡請求)は棄却した
③控訴審で、原告の控訴を棄却した

9.■神社敷地マンション敷地賃料不払いで建物明け渡し訴訟　東京地判　平28年4月12日
概要
①マンションの敷地を賃貸している原告(神社)が、信頼関係を維持できないような賃料の不払いがあったことを理由に、被告(区分所有者)に対し時価相当額の支払いと引換えに区分所有建物の明渡し等を求め
②被告が相応の努力をしたことを認め、信頼関係は未だ維持されているとして棄却された

8.■管理組合による敷地所有権訴訟　東京地判　平28年3月24日
概要
①西側土地上にあるマンションの管理組合(参加人：分譲業者である原告は脱退)が、東側土地の所有者である被告が占有する本件土地(両土地の間に位置する)が、マンションの敷地の一部である旨を主張して明渡しを求めた
②管理組合の主張を認めた

7.■借上型区民住宅の都との賃貸借契約終了と住宅賃借人の関係東京地判平28年2月22日
概要
①東京都特別区の借上型区民住宅に関する賃貸借契約が賃借人(まちみらい千代田)　の更新拒絶により終了しても、住宅の所有者である賃貸人(原告)が信義則上その終了を転借人(区民住宅への入居者)に対抗することができないとして却下された
②上記賃貸人が賃借人及び転借人に対してした将来の明渡し請求が、いずれも不適法とされた

6.■一筆土地分割後の通行地役権訴訟　東京地判　平28年2月26日
概要
①一筆の土地を土地1と土地2に分筆後、土地1を取得して賃貸駐車場として利用している会社(原告)が、土地2に建築・分譲されたマンションの管理組合(被告)に対し　1)土地2の一部である土地3を承役地として土地1を要役地とする通行地役権の設定確認と、2)土地3を車両で通行することを妨害してはならないとの請求
②認容した

5.■マンション敷地地代増額請求訴訟　東京地判　平28年3月8日
概要
①マンション敷地の所有権を有する原告が、敷地に設定された地上権の準共有者又はその承継人である被告らに対し、地上権持分の地代の増額を求める意思表示をしたことを理由に、地代の確認を求めたが、地上権の設定契約において地代を150年間にわたり増額しないと合意していると被告が主張
②被告主張を否定した
③→上告審の東京高判H28.9.15も支持し棄却した

4.■敷地所有者による駐車場整備工事の管理組合の妨害　東京地判　平27年11月27日
概要
①マンションの区分所有者に敷地を賃貸している不動産会社(原告)が、管理組合、元理事長等に、敷地における駐車場整備工事の妨害行為を行ったとして、賃貸借契約を解除して法10条の売渡請求権を主張し相当額と引換えに建物の明渡しを求めた
②損害賠償は認めたが、契約の解除(売渡請求)は棄却した
③→控訴審のH28.4.20東京高判も支持し棄却した

3.■地上権付マンション地代遅延で地上権設定契約解除訴訟　東京地判　平27年3月26日
概要
①原告(宗教法人)が所有する境内地にa社が建設した地上権付マンションの区分建物を、購入したBから被告らが相続したが、
②地代支払いの遅滞を理由として地上権設定契約を解除したうえ、法10条の売渡請求を行ったとして区分建物の明渡し等を求めた
③地上権の消滅請求は許されないとして、未払い地代等の支払いのみ認容した

2.■マンション隣接地の賃貸借契約は借地権か地役権か　東京地判　平27年5月25日　
概要
①区分所有者らがマンションに隣接する土地の共有者(被告ら)と締結した該土地の賃貸借契約により、マンション所有目的の借地権が設定されたとする主張
②主張は棄却したが、
③マンション底地を要役地とし、該土地を承役地とするインフラ設備(電話線や下水道管等)の維持利用を目的とする地役権の取得を認めた　※借地権確認請求事件

1.■マンションの敷地利用権をめぐる訴訟　東京地判　平27年4月14日　
概要
①原告らが購入したマンションの敷地利用権がマンション敷地の一部の利用権であったところ、売買契約は敷地全体の利用権について締結されたから一部他人物売買であるとして、売主や仲介業者に対し民法563条1項に基づく減額(差額返還)請求や損害賠償等を請求した
②棄却された

以上