マンション関係判例集(第三十二歩)
暴力団関係///////////////////////////
2.■暴力団事務所使用禁止仮処分訴訟 東京高判 平28年8月10日
概要
①建物を暴力団の事務所又は連絡場所として使用することを禁止する仮処分に基づき間接強制の申立てがされた
②代表する者の交代に伴い暴力団の名称が変更されたとしても、債権者が履行を求める債務の内容と債務名義に表示された債務の内容が同一であると判示
③原決定(H28.6.24横浜地裁小田原支決)を逆転・変更し請求を認容
1.■市営住宅入居者が暴力団員の部屋の明け渡し条例合憲 最二小判 平27年3月27日
概要
①市営住宅の入居者が暴力団員と判明した場合、部屋の明け渡しを求めることができるとした自治体(西宮市)の条例は、憲法14条1項、22条1項に違反しない
②「組員が市営住宅に入居し続けた場合、他の入居者の生活の平穏が害される恐れがある」と指摘
③「組員は自らの意思で暴力団を脱退でき、条例は公共の福祉の点から必要かつ合理的なものである」と判示した ※H25.6.28大阪高判を維持
詐欺商法等/////////////////////////
5.■デート商法による投資用マンション購入で勧誘者に訴訟 東京地判 平28年3月29日
概要
①婚活サイトを利用してデート商法的勧誘により投資用マンションを購入事案
②言葉巧みに原告の被告に対する恋愛感情及び信頼感を醸成させたうえで、これを殊更に利用し、原告の意図に合致するものではない購入契約に原告を至らせるものであり慰謝料請求権の発生を導く不法行為となるとして、勧誘担当従業員に慰謝料と弁護士費用の支払いを命じた
4.■詐欺手デート商法とマンション購入契約 東京地判 平28年3月1日
概要
①ウエブサイトを通じて知り合った被告Y1の勧誘によって、その勤務先から紹介された売主から投資用マンションを購入した原告が、Y1の勧誘行為は詐欺的なデート商法であり不実告知や不法行為に当たるとして勤務会社等を含め購入代金等(2360万円+弁護士費用266万円他)の返還等を求めた
②一部(1119万円+弁護士費用236万円(代金相当損害額の1割))が認容された
3.■恋愛感情を利用した投資用マンション購入契約 東京地判 平26年10月30日
概要
①原告(女性)が、結婚紹介所のウェブサイトで知り合った男性に勧誘されて、不動産会社から投資用のワンルームマンションを購入し、購入資金の調達のために銀行と約2300万円の金銭消費貸借契約を結んだ
②これは勧誘者の男性が恋愛心理を悪用したものだとして、男性に精神的苦痛による慰謝料300万円、銀行に金銭消費貸借契約の消費者契約法による取消し等を主張
③男性の勧誘行為は信義誠実の原則に反しているとして慰謝料20万円の請求を認めたが、金銭消費貸借契約の取消し等は認めなかった
2.■87歳女性から、複雑なスキーム説明せず不動産買取契約 東京地判平27年1月14日
概要
①高齢者(87歳の女性)から、複雑なスキームを説明せずに不動産を買い取った契約
②公序良俗違反として無効とされた
1.■ホテル客室小口化販売と破産で配当停止をめぐる訴訟 東京地判 平28年8月5日
概要
①不動産共同投資の手法により、ホテルの客室を区分所有建物として、小口の共有持分に細分化して販売され、ホテルの収益から配当を得ることになっていたが、経営破たんで配当が停止された等のことから、購入者(原告ら)が、経営会社(被告)から被告補助参加人に売却した原告らと同参加人の売買契約には要素の錯誤があったとして、所有権移転登記の抹消登記手続を求めた
②棄却された
以上