マンション関係裁判例集(第三十九歩)
売買契約解除 その①////////////////////////
4.■建築中作業員落下死亡で解約訴訟 平26年4月15日 東京地判
概要
①Y社から新築マンションを購入した原告が、マンションの建築工事中に作業員2名が落下し死亡する事故が発生したため、解約と手付金の半分の返還を請求訴訟契約法理又は不当利得返還請求権に基づき、手付金の半額の支払い請求した
②請求が棄却された
3.■日照阻害の説明義務違反 平26年1月23日 大阪高判
概要
①分譲マンションの売主に、説明義務違反(隣接地に建築するマンションによる日照阻害日照阻害に関し、重要事項説明書の記載が具体性に欠け、被告はその記載を読み上げるに止まった)による損害賠償責任と工事差し止め訴訟
②賠償責任を認めたが、マンションが既に完成していることから、建築工事の差止めを求める部分については却下した原審(神戸地判H25.6.6)を支持し控訴棄却
③⇒上告したが棄却・不受理した(H27.3.6最二小決)
2.■20年前の自殺した建物の事前説明責任 平26年6月19日 高松高判
概要
①土地売買において、宅地建物取引業者が、20数年前に同土地上の建物で自殺があったことが説明義務違反・不法行為にあたるとの訴訟
②一部認容した(調査義務は認められないと判断)
1.■水銀残置理由による契約解除訴訟 平26年7月25日 東京地判
概要
①売買建物(区分所有建物)に水銀が残置されていたことを理由とする買主の契約解除、損害賠償等の請求訴訟
②棄却された(搬出中に誤って割った漏出事故によるものであるとした)
売買契約関係 その②///////////////////////
8.■入居後瑕疵(容積率の超過や雨漏り)契約解除訴訟 平28年8月30日 東京地判
概要
①宅建業者(被告)とマンション(自社物件)を購入する売買契約を締結した原告が、入居後(管理組合の理事長も経験)に建物に瑕疵(容積率の超過や雨漏り)が存在することや、重要事項説明がされていないとして、契約を解除する旨の意思表示を行い、民法570条(売主の瑕疵担保責任)等を主張して売買代金の返還等を請求した
②棄却された
7.■新築分譲マンション契約解除訴訟 平27年7月30日 東京高判
概要
①新築マンションの分譲において、売主からの債務不履行解除訴訟
②売主に保険料、所有権保存移転登記費用、登記関係費用等の諸費用の説明義務の不履行があったとして、認めなかった(原審のH26.9.19東京地判を維持し控訴を棄却した)
6.■売買代金返還請求事件 平26年3月26日 東京地判
概要
①不動産の売主である宅地建物取引業者に、売買目的物が建築基準法及び都市計画法に違反した状態にあることについての調査義務違反による損害賠償訴訟
②調査義務を認めたうえ、買主の過失を理由に3割の過失相殺がされた
5.■賃貸目的購入建物の瑕疵による賃貸不能損害訴訟 平26年4月25日 東京地判
概要
①宅建業者から賃貸目的で建物(マンションの1・2階部分)を購入した買主が、同建物の瑕疵又は売主の不完全履行により賃貸ができないとして、売主に対して、建物工事に要した費用及び建物の月額賃料相当割合の逸失利益の支払いを求めた
②建物には隠れた瑕疵があり、売主は建物を瑕疵のない状態で引き渡す債務を負っていたにもかかわらずその履行が不完全であったとして、買主の請求の一部(建物工事に要した費用)が認容された(※賃料相当の逸失利益は認められず)
4.■未完成建物に対する解除と瑕疵修補訴訟 平26年3月18日 東京地判
概要
①施主が、請負業者に対し、建物が未完成であることを理由に請負契約を解除したとして請負代金の返還を求めるとともに、建築した建物には瑕疵があるとして瑕疵修補に代わる損害賠償等を請求した
②施主の請求を棄却した
3.■サッシの遮音性能不足で損害賠償訴訟 平3年12月26日 福岡地判
概要
①業者の説明と異なり、サッシの遮音性能は売主の保証した基準に達しておらず不十分なものだったとして、買主の損害賠償請求を一部認容した(欠陥マンション)
2.■通気管施工不良による悪臭で賃貸困難瑕疵修補訴訟 平6年2月24日 東京高判
概要
①通気管の施工不良による悪臭で賃貸することが困難になったとして、売主に逸失賃料と修理費用の支払義務を認容した
②売主に特約による瑕疵修補義務を認めた
1.■駐車上に関する分譲業者の説明義務違反 平9年4月23日 横浜地判
概要
①分譲業者が説明を的確にしなかったため、買主らの第三者との駐車場賃貸借契約の更新を断られた
②分譲業者に説明義務違反があったとして慰謝料の支払いを認容した
以上