マンション関係裁判例集(第四十歩)

管理組合関係////////////////////////

14.■理事長の利益相反行為問題 平26年1月9日 東京地判
概要
①理事長が自らが代表を務める会社とコンサルタント契約を締結させ、コンサルタント料(34,000円/月)を支払わせたことは、不法行為(利益相反等)に該当するとして、管理組合(原告)が損害賠償を請求した
②所定の手続きを経ており違法性があるとまでは言えないとして棄却された

13.■管理業者と不適当な契約をした理事長の解任訴訟 平26年9月3日 東京地判
概要
①理事長に、不適当な管理業者と契約し、当該事業者の不適当な管理業務を十分な監督をしない等の不正があるとして、区分所有者が区分法25条2項に基づく理事長の管理者としての解任を請求した
②請求を棄却された

12.■理事解任請求の訴えの相手は管理組合でなく理事 平26年2月27日  東京地判
概要
①理事に対する解任請求の訴えの相手は誰か
②理事を被告とする訴えでなければならず、管理組合法人を被告とした場合は却下される

11.■理事長の管理委託費横領損害賠償訴訟 平26年9月5日 東京地判
概要
①原告不動産管理会社が管理組合に管理委託費等の支払いを求めた本訴は容認
②管理組合の当時の理事長らが横領した事件で管理組合に委託契約上の善管注意義務違反があったとして管理組合が債務不履行に基づく損害賠償金を原告に請求した反訴は棄却した

10.■役員選出を巡る名誉毀損訴訟 平26年1月28日 東京地判
概要
①区分所有者が管理組合の理事会の席上他の出席者から暴行を受けた刑事事件の当事者であることを理由に、輪番制で運用されていた次期役員候補から外すことが承認され、その内容を記載した議事録が居住者に回覧されたのは名誉毀損と損害賠償や謝罪文の掲示等を請求訴訟
②棄却された

9.■議長資格問題 平26年2月13日  東京地裁
概要
①理事長が議長になるとの定めがありながら、理事長 以外の者が議長として会議の運営を行ったのは決議無効と訴訟した
②瑕疵は決議の無効をもたらすとは認められない

8.■総会開催日誤記載議案書の効果 平26年5月13日  東京地判
概要
①招集通知とともに送付された議案書に総会の開催日が誤記載に対する訴訟
②決議の効力を肯定(決議の無効を主張できない)

7.■情報開示・閲覧請求 平26年1月10日 東京地判
概要
①区分所有者原告2名が、従前の管理者亡Eの相続人(被告Y)がEから管理者の地位を違法に承継したとして、委任終了(受託者Eの死亡)の通知書等の開示を相続人と管理組合に求めた。
②開示を求める資料が存在し、かつ両被告が所持しているとは認められないとして、棄却された

6.■行き過ぎた言動の区分所有者に行為停止請求 平26年3月6日  東京地判
概要
①管理組合の円滑な活動に支障を来すに至るまでの行き過ぎた言動のあった区分所有者に対する、規約に基づく行為差止(停止)請求
②認められた

5.■マンション大規模排水管更新工事は普通決議で有効 平26年7月10日 東京地判
概要
①議事録が適法に作成されていなくても、(罰則はあるが)決議自体の効力が否定されるわけではない
②外壁、屋上防水、給排水管(2管式排水システムから単管式排水システムへの変更)等について行う通常の大規模修繕工事について、金額が大きくても、集会の特別決議ではなく、普通決議で決められる
③として原告(区分所有者)の請求を棄却した

4.■駐車禁止規則変更訴訟 平26年5月3日  東京地判
概要
①1階店舗専有部内の一部に駐車を禁止する規約変更・使用細則変更訴訟
②特別の影響を受ける区分所有者の承諾を要する

3.■団地自治会長の住民自治会加入強制・支払請求問題 平26年2月18日 福岡高判
概要
①団地の自治会長による、住民への自治会加入強制・支払請求
②不法行為にあたるとされた(※確定)判時2221-42

2.■権利能力なき社団に移転登記請求の当事者適格 平26年2月27日 最一小判
概要
①権利能力なき社団に、構成員全員に総有的に帰属する不動産について、移転登記請求の当事者適格を認めた事例
②権利能力なき社団が当事者となって行った判決の効力について、「判決の効力は、構成員全員に及ぶものと解される」と明言 民集68-2-192

1.■預金通帳名義変更等請求控訴事件 平26年8月27日 東京地判
概要
①権利能力なき社団である自治会が、自ら代表者と称する前会長を相手どって、現会長が別の人であることを求める確認訴訟
②当事者適格、確認の利益があるとして適法とされた

以上