マンション関係裁判例集(第四十一歩)
■管理委託会社関係
1.■管理委託会社への預り金等請求事件平26年6月20日 東京地判
概要
①管理組合が、マンションの管理委託を受けた被告会社に対し、委託契約の預り金返還請求権に基づき、未返還となっている238万円の変換訴訟
②返還すべき残額はないとして棄却された
■管理費滞納競売関係
5.■強制競売が無剰余取消しを巡る訴訟 平26年3月3日 大阪高決
概要
①強制競売が無剰余取消しとなる見込みであることから仮押えを申立てた
②無剰余取消しの回避のために民事保全制度を利用するものであると却下した
H26.1.29大阪地決
③「強制競売を申し立てると無剰余取消しになる蓋然性が高く、一方、遠くない将来に剰余が生じる可能性があるから、保全の必要性がある」と取消し差戻した
4.■管理費不払いによる競売請求 平26年3月25日 東京地判
概要
①共用部分である駐車場にベニヤ版と鉄パイプで壁を作り、不法占拠をしたとして、管理費等の不払い(400万円超)に基づく競売請求の訴えが提起された
②工作物の形状・位置、設置の形に鑑みれば、工作物の存在により、駐車場としての使用が妨げられ、他の区分所有者が駐車場を平穏に使用することができない状況にあったとして共同利益に背反することは認められたものの、
③補充性の要件(法59条1項:競売請求によるまでもなく、個別の代替執行その他の手段によって、現存する障害を除去することは十分に可能である)を満たさないとして、競売請求は棄却された
3.■管理費長期滞納者に対する競売請求 平26年4月22日 東京地判
概要
①管理費を長期滞納(不払い額が442万円)した区分所有者に対する59条競売請求を肯定
2.■強制競売無剰余取消し問題 平26年1月29日 大阪地決
概要
①強制競売が無剰余取消しとなる見込みであることから仮押えを申立てた
②無剰余取消しの回避のために民事保全制度を利用するものであるとして却下した
③→控訴審のH26.3.3大阪高決で逆転(取消し、差し戻し)判時2229-25
1.■管理費滞納剰余のため競売手続取消し 平26年7月7日 東京地判
概要
①管理費を長期滞納(不払い額が607万円)した区分所有者に対する59条競売開始決定がなされたが、無剰余のだった
②競売手続きが取り消された
■管理費価格設定妥当性訴訟
2.■店舗部分管理費の価格設定の妥当性 平26年3月27日 東京地判
概要
①店舗部分は、住居部分と比較して一般的に来場者が多く、多くの人が共用部分を利用することから、管理費等を比較的高めにすることも合理的理由がある、住居部分の1.4倍程度の管理費の定めが無効とはいえないとした
②管理費等の不払い額が96万円で59条競売請求を肯定(被告の非協力的態度が考慮要素となる)
1.■店舗区分所有者による管理費が高いと訴訟 平26年7月23日 神戸地判
概要
①住宅に比べて管理費が4.75~8.7倍と高すぎるとして、店舗区分所有者達が管理者(新長田まちづくり)に過払い分を求めている事件(H27.2.10神戸地判で棄却)に際し、提訴に伴い管理費等を支払っていなかった区分所有者に管理者が請求裁判
②滞納者に管理費等の支払を命じた
③※28.1.27 大阪高判で逆転した(マン管新聞2016.2.15)
以上