マンション関係裁判例集(第四十六歩)

■火災賠償問題

2.■室内火災原因鑑賞魚水槽ヒーター原因との訴訟 平26年6月12日 東京地判
概要
①被告Y2社から区分所有建物の専有部分を借用して事務所として使用していた原告が、室内で発生した火災で損害を被った原因は被告Y1社製造の鑑賞魚水槽用のヒータに欠陥があり管理責任を怠っていたとするY2社を含め損害賠償を請求した
②いずれも棄却された

1.■マンション借り主による火災賠償責任 平26年6月16日  東京地判
概要
①ワンルームマンション内で発生した火災による借主の損害賠償責任が認定された

■環境関係

3.■日影規制と境界線 平26年3月19日 さいたま地判
概要
①中高層建築物の日影規制につき、緩和措置を適用する解釈として、いわゆる閉鎖方式(敷地境界線をそのまま道路側に直交方向に延ばす方法)を採用し、発散方式(敷地境界線上の任意の点から放射状に任意の線を延ばす方法)に基づく建築確認を違法とする裁判例

2.■開発行為京処分訴訟の原告適格 平26年3月20日  大阪高判
概要
①都市計画法29条に基づく開発行為許可処分及び同法35条の2に基づく開発行為許可処分の取消しを求めた事案で、原告らの原告適格を肯定した

1.■目隠し設置等請求事件 平26年2月14日 東京地判
概要
①居住するビルの隣地に建築したマンションの窓から各居室を見通せるため、目隠しの設置と損害賠償を請求した
②一部却下し一部棄却した(民法235条1項(目隠し設置)に該当せず)
⑴目隠しの設置について内容不特定で却下
⑵住環境悪化の点ついては受忍限度を超えているとはいえないとして請求棄却

■建物瑕疵

4.■売買代金返還請求事件 平26年3月26日 東京地判
概要
①不動産の売主である宅地建物取引業者に、売買目的物が建築基準法及び都市計画法に違反した状態にあることについての調査義務違反による損害賠償訴訟
②調査義務を認めたうえ、買主の過失を理由に3割の過失相殺がされた

3.■賃貸目的購入建物の瑕疵による賃貸不能損害訴訟 平26年4月25日  東京地判
概要
①宅建業者から賃貸目的で建物(マンションの1・2階部分)を購入した買主が、同建物の瑕疵又は売主の不完全履行により賃貸ができないとして、売主に対して、建物工事に要した費用及び建物の月額賃料相当割合の逸失利益の支払いを求めた
②建物には隠れた瑕疵があり、売主は建物を瑕疵のない状態で引き渡す債務を負っていたにもかかわらずその履行が不完全であったとして、買主の請求の一部(建物工事に要した費用)が認容された(※賃料相当の逸失利益は認められず)

2.■未完成建物に対する解除と瑕疵修補訴訟 平26年3月18日 東京地判
概要
①施主が、請負業者に対し、建物が未完成であることを理由に請負契約を解除したとして請負代金の返還を求めるとともに、建築した建物には瑕疵があるとして瑕疵修補に代わる損害賠償等を請求した
②施主の請求を棄却した

1.■水銀残置理由による契約解除訴訟 平26年7月25日  東京地判
概要
①売買建物(区分所有建物)に水銀が残置されていたことを理由とする買主の契約解除、損害賠償等の請求訴訟
②棄却された(搬出中に誤って割った漏出事故によるものであるとした)

以上