マンション関係裁判例集(第四十七歩)
■購入契約解除
3.■建築中作業員落下死亡で解約訴訟 平26年4月15日 東京地判
概要
①Y社から新築マンションを購入した原告が、マンションの建築工事中に作業員2名が落下し死亡する事故が発生したため、解約と手付金の半分の返還を請求訴訟契約法理又は不当利得返還請求権に基づき、手付金の半額の支払い請求した
②請求が棄却された
2.■日照阻害の説明義務違反 平26年1月23日 大阪高判
概要
①分譲マンションの売主に、説明義務違反(隣接地に建築するマンションによる日照阻害日照阻害に関し、重要事項説明書の記載が具体性に欠け、被告はその記載を読み上げるに止まった)による損害賠償責任と工事差し止め訴訟
②賠償責任を認めたが、マンションが既に完成していることから、建築工事の差止めを求める部分については却下した原審(神戸地判H25.6.6)を支持し控訴棄却
⇒上告したが棄却・不受理した(H27.3.6最二小決)
1.■20年前の自殺した建物の事前説明責任 平26年6月19日 高松高判
概要
①土地売買において、宅地建物取引業者が、20数年前に同土地上の建物で自殺があったことが説明義務違反・不法行為にあたるとの訴訟
②一部認容した(調査義務は認められないと判断)
■耐震問題
3.■建築マンション耐震強度不足訴訟 平26年4月22日 大阪高判
概要
①マンションの建築主が、設計工事監理者(Y)、設計担当者(a)、下請け(b)、確認検査実施者(c)が耐震強度を確保していないマンションを建築したとして、損害金の連帯支払を求めた。
②cに対する請求を棄却したため控訴した
③控訴審は請求を一部認容した
2.■貸しビル耐震工事による飲食店退去賠償訴訟 平26年1月29日 東京地判
概要
①事業用貸ビルの耐震補強工事により営業(飲食店)が困難として退去した借主の、貸主に対する損害賠償請求
②否認された
1.■耐震強度不足問題 平26年5月15日 東京高判
概要
①分譲マンションの耐震強度不足が発覚し、区分所有者から全戸買取を余儀なくされた売主が、建築確認をした業者や静岡市に損害賠償を求めた控訴審
②1審判決(H24.12.7静岡地判)を変更し、9.6億円の支払いを命じた
→H27.10.27最三小決は、棄却して上告を不受理
■中古マンション関係
3.■中古マンション雨漏り訴訟 平26年1月15日 東京地判
概要
①購入した中古マンション(築38年)の台風時の雨漏り事故について、不法行為、詐欺、瑕疵担保責任等を理由に損害賠償を請求した
②築年数に応じた品質を有し重要事項説明も告げているとして損害賠償請求を棄却
2.■中古マンション説明義務違反訴訟 平26年2月4日 東京地判
概要
①宅建業者から中古マンションの一室を購入した原告共用部分に存在する瑕疵(北側の基礎及び杭頭部分が地表に露出した状態である等)があり、基本的な安全性を欠いていたとして、瑕疵担保責任及び説明義務違反に基づき損害賠償を請求
②いずれも棄却された
1.■中古マンション老巧化(30年経過)空調設備瑕疵訴訟 平26年5月23日 東京地判
概要
①老巧化(30年経過)した空調設備が、売買において予定されていた品質・性能を欠いていたということはできず(売主の瑕疵に該当せず)、また、仲介業者が調査、説明すべき義務を負っていたとはいえない(説明義務違反に該当せず)として、中古マンションの買主の請求を棄却した
以上