マンションの安全と安心(第十一歩)
大規模修繕
マンションは大体12年ぐらいの頻度で大規模修繕をしなければなりません。外壁の点検補修あるいは塗装、屋上防水、ベランダ回りの補修、共用部の補修などがその対象ですね。
ほとんどの大規模修繕では建物の回りに足場を組みます。足場を組むと、上層階のベランダなど普段、住人しか使えないところに作業者が入ることができるようになります。
昨今の現場では、足場の回りを、内側が見えるネットなどで囲み、部材や工具の落下を防ぐとともに空き巣など、外部からの悪意のある侵入を防いでいます。また、一階の足場入口扉には簡単な出入管理装置を取り付けて関係者以外の入場を防いでいます。そのほか要所に人感センサーを取り付けて、特に夜間に侵入があれば明かりを点けて空き巣などを実行しにくくする工夫も一般に行われています。
また、施工業者が各戸にベランダなどの掃き出し窓に取り付ける補助錠を配ることも普通です。
これらの機材は安価なものばかりで、大規模修繕費用に占める割合はわずかですから、管理組合は業者に対して積極的に防犯対策を求めることがよいと思います。
実際に工事が始まると、管理組合やマンション住民との接点になる現場責任者、現場代理人との信頼関係がとても大事だということがよくわかります。事前の説明会などで、しっかりと人物像を把握しておくことが必要です。